出版バイアスをチェック!―ファンネルプロットはどう描く?

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メタアナリシスを実施する際には、 統合しようと決めた研究結果に、 出版バイアスがないかどうかを確認することが重要だ。

出版バイアスとは、論文公表に当たっての偏りのことだ。

論文が学術雑誌の編集部に受理されて、 公表されるのには傾向がある。

結果が統計学的有意であって、 これまでの知見を塗り替えるような結果が、 掲載されやすい。

これまでの知見を追試して、 同様に統計学的有意な結果であれば、 掲載される可能性は高い。

しかし、これまでの知見とは異なる場合や、 統計学的有意でない場合は、 出版されにくい。

特に統計学的有意でなかった結果は、 掲載されにくい。

サンプルサイズが小さくて、 サンプルサイズの計算がされていなくて、 統計学的有意でない結果は、 メタアナリシスには重要な研究だ。

サンプルサイズが小さいだけなら、 統合すれば統計学的有意になるかもしれない。

統合しようとしているエビデンスに、 出版バイアスが生じているかどうかを グラフで眺めてみようというのが ファンネルプロット(funnel plot)だ。

ファンネルとは漏斗(ろうと、じょうご)のこと。

個々の研究結果の散らばり方が、 漏斗を裏返したような形になれば理想で、 出版バイアスは小さいと判断できる。

統計ソフトRでファンネルプロットを描くには?

metaforライブラリのfunnel()を使う。

まず最初の一回だけmetaforライブラリをインストールする。

install.packages("metafor")

 

データはこちらからダウンロード可能。

metaforライブラリのescalc()を使う。

measure=で指標を指定。このデータはオッズ比。

推定値yi と分散viが計算される。

rma.uni()で、method="REML"を指定し、 制限付き最尤推定量(REML)で統合オッズ比と95%信頼区間を求める。

dat <- read.delim("C:/data/meta-analysis-nyumon-B1.txt")

library(metafor)

dat.escalc <- escalc(measure="OR", ai=a, n1i=n1, ci=c, n2i=n0, data=dat)

res.reml <- rma.uni(yi, vi, method="REML", data=dat.escalc)

 

ファンネルプロットを描く。

X軸に推定値、Y軸に標準誤差を取って、 プロットする。

中央の線は統合オッズ比の0.79。

図内の右下、推定値も標準誤差も大きめの研究が ないことがわかる。

出版バイアスの存在を疑わせる。

その限界を知ったうえで解析を進めるという 態度をとる必要がある。

funnel(res.reml)

X軸を対数目盛で真数ラベルにする。

これだとイメージがつかみやすい。

対数表示はわかりにくい。

funnel(res.reml, atransf=exp, at=log(c(0.25, 0.5, 1, 2, 4)))

まとめ

メタアナリシスを実施する際に、 確認しておくべき出版バイアスを、 統計ソフトRのmetaforライブラリfunnel()を使って、 ファンネルプロットで検討する方法を紹介した。

出版バイアスがある場合は、 メタアナリシスはだめということではなく、 出版バイアスがあるという限界を知ったうえで、 統合してみたという態度が必要ということ。

出版バイアスのチェックはとても大事だ。