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正準相関分析をわかりやすく解説

正準相関分析とは、どんな分析で、どんなときに使うのか?

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正準相関分析とは一言で言うと?

正準相関分析 canonical correlation analysis は、一言で言うと、2つの変数群を2つの合成変数にまとめ、その合成変数間の相関係数を最大にする方法である。

正準相関分析(Canonical Correlation Analysis:CCA) とは- 仕組みを解説

多数の変数の合成変数(重み係数をかけて足し合わせた変数)を用いる方法が主成分分析であるが、その方法論と似ている。

toukeier.hatenablog.com

正準相関分析は、多変量を2つの変数群に分けて、変数群ごとの合成変数を作成し、その相関係数を計算する方法である。

正準相関分析はどんな計算をしているのか?

赤穂昭太郎:正準相関分析入門

変数群  \boldsymbol X (ベクトル群) と 変数群  \boldsymbol Y からともに合成変数を作成する。

合成変数の係数ベクトルをそれぞれ  \boldsymbol a,  \boldsymbol b とする。

2つの合成変数の相関係数を計算する。

その相関係数が最大になるように、 \boldsymbol X \boldsymbol Y の係数ベクトル  \boldsymbol a,  \boldsymbol b を求めていく。

では、その係数ベクトルはどのように求めるか?

それは、主成分分析の時と同じく、ラグランジュ未定乗数法を用いて、固有値固有ベクトルを求める問題として解いていく。

toukeier.hatenablog.com

得られた固有値は、合成変数の相関係数になる。

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正準相関分析はどんなときに便利な方法か?

正準相関分析はどんなときに使うと便利な方法か?

変数がたくさんあって、2つの変数同士の相関係数がたくさん出てきてしまうとき、それを縮約したいと考えたとき。

たくさんの変数が、臨床的な概念によってグループに分けられるとき。

例えば、腎機能の検査値群とか、肝機能の検査値群とか。

こんな時には正準相関分析が役に立つだろう。

正準相関 | 我楽多頓陳館

まとめ

正準相関分析は、多数の変数を縮約した合成変数同士の相関を計算する方法で、多変量の情報を縮約して検討することが可能になる分析だ。

多数のデータが得られるビッグデータの時代にこそ活躍する分析かもしれない。

参考サイト

正準相関分析(Canonical Correlation Analysis:CCA) とは- 仕組みを解説

赤穂昭太郎:正準相関分析入門

正準相関 | 我楽多頓陳館

SPSSで正準相関分析を行うには

SPSSで学ぶ医療系多変量データ解析 第2版 第13章参照