統計ER

R, EZR, SPSS, KH Coder を使ったデータ分析方法を紹介するブログ。ニッチな内容が多め

傾向スコア(Propensity Score)を利用した解析

傾向スコア Propensity scoreを利用した解析とはどのようなものか?

総論

1.すでに利用が広がってしまっている治療でRCTを実施しにくい場合、レトロの観察研究にも、RCTを実施したのと同様の価値を持たせることができると言われたりもするが、実際のところ交絡の調整方法の一つに過ぎない。RCTの最大の利点、未測定の交絡要因まで制御できる、という点はないため、RCTと同等ということはない。国際的に有名な一流ウィークリージャーナルにも掲載されているのは事実。

 

2.症例数が少なく、かつ調整したい変数がたくさんある場合、従来の線形結合の多変量解析に比べ、より適切かもしれない。利用可能な交絡要因を洗いざらい考慮できる。ただし、傾向スコアを予測したモデル自体が適切であることが前提になっていることも考慮に入れる必要がある。

 

各論的方法論

1.臨床家が、ある治療Aを選択することを予測するロジスティック回帰モデルを作る。治療選択に当たって考慮される臨床的検査値等で予測する。モデルから算出される治療選択予測確率をpropensity scoreとする。

 

2.propensity scoreが同じでも治療Aで治療されている患者と治療されていない患者がいる。同じpropensity scoreでマッチさせて、エンドポイントの発生を比較する。A治療群のエンドポイントオッズ比を計算する。

 

3.マッチングしたデータセットの背景因子がばらついていないかを確認する。ばらついていれば、その変数を調整した結果も算出する。

 

4.マッチング以外にも逆確率重み付けという方法もある。治療Aが選択されていないが、治療Aと同じくらいの傾向スコアをもっている症例は少ない。その少なさを補うための重みを傾向スコアの逆数を利用して作成して解析に用いる。